行動を起こす上で、心理的、社会制度的なバイアス(偏見・偏り)が障害になる事はとても多いと感じている。
更に、そのバイアスの存在が本人の中で顕在化していない事も多いし、
それを取り除くにしても一筋縄ではいかない。
近代の歴史を大雑把に眺めてみると、
例えば、社会階層(身分による差別の減少、奴隷制度の廃止など)も
組織内の階層(細かい役職や分業体制の廃止など)も、
フラット化が進んでいると言われていて、
大枠では、身分や立場によるバイアスは解消されつつ有るのかも知れない。
大枠では、身分や立場によるバイアスは解消されつつ有るのかも知れない。
交通手段や物流網、そしてインターネットの登場により、
地域差も間違いく解消されつつあって、
これらはグローバル化とも呼ばれている大きな流れだが、
ここでも、地理的なバイアスが大幅に解消されてきている部分が感じられる。
ここでも、地理的なバイアスが大幅に解消されてきている部分が感じられる。
地域社会毎に特有の問題(民族的、宗教的、伝統的なバイアスなど)が
依然として強く残っている事はもちろん沢山ありそうだが、
俯瞰すると、世の中は確実に
バイアス・フリーに向う変化の中にある様に見える。
バイアス・フリーに向う変化の中にある様に見える。
所が、全世界的に共通して
2種類の根強い格差・バイアスが残っているらしい。
「経済」に関するものと、もうひとつは「性別」に関するものだ。
経済格差については近年、
ピケティの著書が話題にもなったが、
そこでは、格差は縮まるどころか拡大していると述べられている。
この経済格差については後日に譲らせていただいて、
今回は性別とキャリアについて興味深い、有名な本をご紹介したい。
シェリル・サンドバーグ著 日本経済新聞出版社
「リーンイン-女性、仕事、リーダーへの意欲」
は、男女は不平等である、性別格差は存在し続けているという事を前提とし、
それを認めようという所からスタートする。
そして、性別格差は制度的・社会的な問題と同時に、
それと関連しつつ、個々人に対して心理的影響を大きく与えているという。
つまり、内外にバイアスが存在していて、それらが
「ニワトリが先か、タマゴが先か」
と言った議論の格好の的となっている状況で、
正攻法はなく、これを打破するには内外両面から攻めこむ必要があるそうだ。
本書は、性別格差の解消に向けて、
いや、もっと言うとあらゆるバイアスから人々を開放するために、
人々が一歩踏み出すために、
自分の目標に向かってる果敢に進むための本だと感じた。
以下、気になった点のメモ書きを共有させて頂く。
・女性は無意識に自分の意見や存在を引っ込めてしまっている。
常に端に座り、手を挙げ続けないでいることを、
社会的に要請されていて、無意識的な反応にまで浸透してしまっている。
・所が、いざ自己主張をしようとすると
男では当然であるものが、女性であるがゆえに非難の的となってしまう。
筆者の経験では、笑顔を絶やさない事、
そして、自分のためではなく、誰かのためにという時、
女性が力を発揮しやすいという。
(自己主張に対する社会的制裁は日米では差があるだろう)
・しかし世の中の変化の中で
かつては、出世といえばハシゴを一つ一つ登っていくようなイメージだったが
徐々にジャングルジムの様相を呈してきている。
ルートも、行き着く先についても、そこに選択肢が生まれたことが
女性にとっても多くのチャンスをもたらしている。
・だからこそ、職探しを含めたキャリアパスを考えた時
「成長可能性」を最重要視して欲しい。
例えば、現時点での「給与」と「保育料」をそのまま天秤にかけるのではなく、
数年後の給与増を見据えた判断をして欲しい。
数年分の給与増と、キャリアアップによる更なるチャンスを
実は見過ごして閉まっているのではないだろうか?
安易に仕事を辞めてしまったり、出世を諦めたりしないで欲しい。
・新しい生き方をして行く上では
率直で暖かいコミュニケーションが誰にとっても重要で
時には感情的な面やプライベートも包み隠さず打ち明けるような覚悟が
円滑な人間関係の土壌となりうる。
完璧さよりも、自分らしさを大事にすることで
応援してくれる人も増える。
・そういった生き方は
パートナーとの対等な関係・役割分担よって培われるのかもしれない。
生物学的な部分以外は、
男にできることは女にもできるし、
女にできることは男にもできる。
バイアス抜きに「対等」なパートナーシップを考えて欲しい。
・パートナーとの関係性も踏まえて女性の立場を考えた時
仕事も家庭も完璧な「スーパーママ」の存在は、
女性の敵にもなりかねない。
そういった完璧主義は、燃え尽き症候群のような心理的負担を招きかねないし、
何より、周囲の女性への期待値を上げてしまうことに繋がる可能性があるからだ。
多くの場合、上手なガス抜きが必要。
・「完璧でなくて良し」とすれば、
既婚者・独身者関係なくプライベートの充実を通じた
人間的充足感をより重視するのではないだろうか。
そしてそれが、最終的には過剰な母性への期待を軽減する事に繋がる。
・働き過ぎの社会習慣と母親への過剰な期待をすこしづつ変える事が重要だ。
実は一昔まえよりも、現代社会の認識は
母親は、より多くの時間を育児に費やすべきだとされている。
(これは「高密度育児」等と呼ばれている)
・仕事や家庭での役割に押し潰される状況を看過せず、
母親として、女性として、
いや、人として、心穏やかに過ごす事を最優先事項としたい。
・言葉は意識を変え、意識が行動を変え、行動が制度変える。
最初の一歩として、言葉を発し続ける事を重視している。
・性別格差は巧妙で気付きにくいバイアスを生んでいて、
ルールや基準自体が、男性に合わせて容易に変更されてきている側面もある。
これは、実際に起ってしまっている事だ。
(スポーツにおけるルール変更等が近いかもしれない)
・リーダーシップとは、あなたの存在によって他人の満足度を高め、
あなたがいなくてもそれが維持されるようにすること。
・現在の平等は、かつての市民が勝ち取ってきた物である。
我々も後世の為に、闘い、勝ちとらなくてはならない物が有るのではないだろうか?
・その為にはまず、現状を認めること。
そして、同性同士での足の引っ張り合いの様な状況からは
できるだけ早く脱却する事を目指したい。
(社会運動は内部から崩壊する事も少なくない)
・専業主婦と、職業上で成功した女性とでは、
お互いに罪悪感を与えあったりする経口にある。
しかし、細かい差異ではなく、最終的目指すのは【解放】だ。
一人でも多くの人が、心理的、社会的なあらゆるバイアスから解放され、
可能性を信じられる人が1人でも多く行動を開始し
また自らがその様に行動する事だ。
それを通じて、折り合いをつけるべきことが、
きっと少しづつ減ってくる筈だ。
・自発的に目標をたて、それに向けて何かに邪魔されることなく、
引け目に感じることもなく、
行動を始められる事が自由であり、
そこに向けて、多くの人ができる事から始めて欲しい。
私も家庭人としての役割を大いに考えさせられた。
私も家庭人としての役割を大いに考えさせられた。
自由とはバイアスを感じ無い事だと思っていて、
家族をできるだけ自由にすることが、
私にできる事の一つだと考え、実行して行きたい。
家族をできるだけ自由にすることが、
私にできる事の一つだと考え、実行して行きたい。
★行動のヒント
・社会的なバイアスは個々の人々に確実に影響を及ぼしている
・バイアスを取り払って行動できる人が一人でも多く出てくることが
最終的に社会的なバイアスを取り除くことにづながる。
最後までお読み頂きありがとうございました。
宮木俊明
0 件のコメント:
コメントを投稿