一般に、コラーゲンは体の中で肌や関節を構成している成分である。
これを多く含む食品を摂取したりサプリメントとして摂取したりする事で、
お肌がプルプルになったり関節の動きがスムーズになる効果を期待して
実際に摂取している人も多い。
そして、この効果を実感している方も多い様だし、
実際にコラーゲン・サプリメントは一大市場を築いてもいる。
所が、栄養学や医学の第一人者を含め、多くの科学者は
これまでコラーゲンを食してもそのまま身体に吸収されるわけではないことや、
人での実証データが無いという事から、その効果を疑問視する事が多かった。
実際、以下のようにコラーゲンの効能を
「疑似科学」的な物切って捨てている研究者もいる。
http://www.sciencecomlabo.jp/healthy_food/collagen.html
コラーゲンの効果を疑問視するポイントを列挙すると以下の様になる。
1.コラーゲンはタンパク質である
2.タンパク質は経口で摂取すると消化されて、タンパク質の構成原料であるアミノ酸へと分解される
3.分解されたアミノ酸は体中のタンパク質の合成等に使用されるが、それが必ずしも皮膚になるかわけではない。
4アミノ酸は20種類程度しかなく、どの様な食材・サプリメントから摂取してもアミノ酸はアミノ酸でしか無い。
5.その為、20種類をバランス良く摂取できていることが重要であってそれが「何から摂取するか」ということは無関係である。
むしろ、コラーゲンが身体の中で作られるときに使用されるビタミンCや、
運動、睡眠等でホルモンバランスを整える事が重要であって、
コラーゲンを摂取してもそのまま皮膚になる訳でもないし、
アミノ酸を摂取するのであれば他の食材でも同じであるとされてきておりm
コラーゲンの効能をうたうことは、
「サプリメント・メーカーの陰謀だ」
と言って憚らない専門家もいる。
効果のないサプリメントを飲む女性たちを、
物知り顔の専門家たちが、冷ややかに見ている。
そんな構図が今までの風景であったのかもしれない。
しかし、しかしだ。
最新の研究によって、以下の様なパラダイムシフトの可能性が出てきてた。
(これは専門家のうんちくよりも、世の女性達の実感の方が正しかった可能性を示している。)
http://www.jilr.or.jp/news/files/tennensozaicollagen_20110228.pdf
これによると、
・コラーゲンは確かに消化されてしまうが、
全てがバラバラのアミノ酸になってしまうわけではない。
・例えば、アミノ酸の一種である「プロリン」と「ヒドロキシプロリン」が2つくっついた状態の「ジペプチド」として体内に取り込まれる。
・このヒドロキシプロリンを含んだ「ジペプチド」は、
皮膚や軟骨の細胞を「刺激」して、皮膚の再生や、軟骨の異常を抑制したりすることが実験で確認されている。
・この「ヒドロキシプロリン」はコラーゲンに特徴的な成分である。(コラーゲン以外の食材には少ないと考えられている)
この様な事から、コラーゲンの経口摂取による「お肌プルプル効果」が、
あながち間違いではない可能性が高まってきているのである。
歴史を振り返ると、固定観念を破壊するようなイノベーションは何度も繰り返されてきているが、
その背後には、純粋な好奇心と、逆境に屈することのない高い精神性を示した
多くの科学者がいる。
本件を一例とする、前例・定説を覆す様な研究を続ける科学者の方々は
社会に価値をもたらす、正に「イノベーター」であり、
心からの敬意を表したい。
※本記事は國井誠さんが主催された栄養学に関連した読書会への出席をきっかけに、
関連書籍から主観的に学び取った内容を参考としている。
★行動のヒント
・「科学的根拠」は疑いの余地がある
・しかしその疑いのかけ方、疑義の証明は「科学的」で有る方が効果的だ
最後までお読み頂きありがとうございました。
宮木俊明
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