2015年6月1日月曜日

五箇条の御誓文

最近、ランニングの途中に明治神宮を参拝し
「五箇条の御誓文」や「教育勅語」が記された冊子(折り本)を入手してきた。
※本殿の参拝所、向かって右手にて、無料で配布されている。


御誓文は明治維新の激動の中、
国難を乗り切るための指導精神として明治天皇により交付され、
近代国家建設のさまざまな施策に受け継がれたと言われている。

一般に、第二次世界大戦後に日本の「民主化」が始まったとされているが、
五箇条の御誓文の中には、日本の民主主義の基本理念が示されていて、
民主議会の設置を求めた「自由民権運動」の支えとなったとされている。
その意図や解釈には諸説有るようだが、
広い意味での「民主主義的精神」といえるような物が、
当時の日本に既に根付いていたと考えてみたい。


私たちは2015年の今現在において、
経済・社会・文化・教育と言ったあらゆる面で
古い価値観の機能不全が急激に明るみに出ている状況を
目の当たりにしているのではないだろうか。

それは正に、激動の時代、価値観が激変しつつ有るような時代に生きていて、
未来のある時点で現代を振り返った時には、
明治維新に匹敵するような歴史的転換点として語られる、
そのような言われをされる事もある。


”新しい時代”への移行の中では、
名声や表面的な権威よりも
「本質的な価値」がより重要視される様になると言われていて、
それはつまり、「誰が、いつ、何のために言ったのか?」といった事よりも、
「その考え方、知恵が、役立つかどうか」という点で
探求を進めるのが望ましいのだろうと思っている。

その様な方向で考えると、
例えば明治維新の原動力となった人々やその考え方、
そして当時の声明等についても、
古いから良いとか、逆に古いものに価値はない、という事ではなく、
また、発表の経緯を重視する事でもなく、
「今でも価値があるかのどうか、機能する物なのか」をしっかり見つめ、
有用な物はしっかり継承し、
その心を現代に生かす事に
とても価値の有るのではないかと理解している。



「どう解釈すれば自分の役に立つだろうか」という観点で
「利用を検討する」というスタンスが
望ましい姿勢な気がしている。



【五箇条の御誓文】現代文訳の引用
※()内は当方の感想

・広く人材を求めて会議を開き議論を行い、大切なことはすべて公正な意見によって決めましょう。
(現在、テクノロジーによって、幅広い意見の集約が容易になってきている。国政だけでなく、組織運営やコミュニティの活性化においても大切な精神。)

・身分の上下を問わず、心を一つにして積極的に国を治め整えましょう。
 (身分格差はもちろん、経済格差やも起業や会社設立のハードルが下がってきているので、かつてよりは解消するチャンスが出てきている。性別格差もテクノロジーの進歩によって以前よりは工夫が効くような流れは出てきている気がする。国レベル、地域レベル、組織レベルで志を一致させることはとても機能的だし、近い考えの人同士がうまくつながれるような機会もテクノロジーの進歩と相まって増えてきている気がする。)

・文官や武官はいうまでもなく一般の国民も、それぞれ自分の職責を果たし、各自の志すところを達成できるように、人々に希望を失わせない事が肝要です。
 (政府も民間も、自営業者でも、「志」を最重要視し、それぞれがワクワクできることに集中できるように助けあっていきたい。)

・これまでの悪い習慣をすてて、何ごとも普遍的な道理に基いて行いましょう。
 (習慣や権威に考えなしにしがみつくのではなく、「真理」がどこにあるのか? 自ら点検を怠らないことが肝要。)

・知識を世界に求めて天皇を中心とするうるわしい国柄や伝統を大切にして、大いに国を発展させましょう。
 (知識・知恵・洞察を国内も含めた世界中から結集させ、それらと照らしあわせてた上で、国として、地域として、組織として、個人として、良い伝統や誇りを大切にして、他の手本となれるように発展して行きたい。)

これにより、わが国は未だかつてない大変革を行おうとするにあたり、私はみずから天地や神々や祖先に誓い、重大な決意のもとに国政に関するこの基本方針を定め、国民の生活を安定させる大道を確立しようとしているところです。皆さんもこの趣旨に基いて心を合わせて努力して下さい。
(転換期においては、オープンマインドでいつつ、ルーツを探索し、歴史からでも世界からでも自分の中からでも、良いものは良いものとして吸収したい。その上で、お互いの強みを活かし合う精神、力を合わせる協調性を重視し、機能不全の原因となっている悪習感・古い価値観は捨てる勇気が必要ではないだろうか。)

〜〜引用終わり〜〜


★行動のヒント
・新旧にとらわれず、良い物は取り入れる
・広く別け隔てなく知識や価値観を探索し、志を打ち立てる

最後までお読み頂きありがとうございました。

宮木俊明


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