2015年5月31日日曜日

第1回 「ランニング読書会」@青山 開催レポート

2015年5月30日(土) 朝9時より
前日の雨から一転しての五月晴れ・快晴の中、
港区南青山の会場と、皇居周辺を利用して開催した。

定員ぴったりの6名にて、
ランニングの経験も、読書会の経験も、
それぞれ様々な皆様にお集まり頂き、
「ランニング」をテーマにしたダイアローグと
その実践を通じて、爽やかに
かつ濃密な時間を過ごす事ができた。

「ランニング読書会」は、
ランニングをテーマにした「未読の本」をそれぞれ持ち寄って、
新しい共創学習の手法で行われる
 「読書会」のパートを経て、
そこから得られた学びをその直後に行われる
「ランニング」の実践パートで即行動に移すことで、
学びの定着と、経験を通じて
更にそれを深められる所が特徴となっている。


読書会パートでは、
それぞれが持ち寄った本に対して質問を投げかけつつ、
一人ひとりの参加者の課題や質問に対して
全員で協力しながら「答え探し」をする方法を採用した。

普段は読書を殆どしないという参加者からも
「読書って、皆ですると凄く楽しい」
「他の人の質問に対する答え探しの中で、今の自分に重要な気づきが得られた」
「新しい仲間が増えて楽しかった」
等の声が聞かれたし、
「問題意識が明確になり、ランニングへの意欲が増した」
「ランニングに重要なポイントが明確になった」
等々、嬉しい声を頂けた。

最後に各自で
「この後のランニングで実行出来る小さな一歩=ベイビーステップ」
を定めて頂き、読書会パートを終了した。


続いてのランニングパートでは、
永田町のランニングステーション「Run Base」に移動して荷物を預けた後、
皇居を周回するコースで、ランニングを実践。

読書会で出たキーワードを参考に、
参加者どうして積極的にアドバイスをし合いながら、
スロージョギングで1周5kmをランニングし、
第一回ランニング読書会を無事に終了する事ができた。

「会話しながら走るのは楽しい」
「仲間と一緒だといつもよりも楽に走れる」
等のコメントを頂き、
通常、孤独な活動と思われがちな
読書やランニングについて、
「誰かと一緒に」やるメリットを皆さんに感じて頂けた気がした。


終了後も、希望者のみでもう一周5km、
合計10kmのランニングを楽しんだ。
「5km以上走ったのは高校生以来で、
今日ここまで頑張れるとは思わなかった 」
といった驚きの効果を報告してくれる参加者もいて、
主催した甲斐があったことを強く感じた。

その後の懇親会も大いに盛り上がり、
各地・各組織に点在する「変な人=イノベーター」 同士が
読書会という場で交流することで、
新しい価値を生み出して行く現象を肌で感じられた。

第二回以降も開催して、
更に楽しく有意義なイベントにしていきたいと考えている。

ご参加いただいた皆様に深く感謝したい。


【個人的に今回得られた「ランニング」のためのヒント】

・何故走るのか?
 ーー目標設定や根源的な【問い】が全てに通じる
・食事や、生活の中での姿勢を意識
 ーーランニング習慣が生活の質を上げ、
 普段の質の高い生活がランニングにも好影響という好循環を生み出す
・姿勢(フォーム)が重要
  ーー距離・スピード・呼吸などよりも重視したい。
 フォームは無理に作るのではなく脱力と練習中の試行錯誤を通じて
「自然に生み出されるもの」




☆☆ 主なアンケート結果 ☆☆

読んだことのない本を色々と知れて良かったし、
新しい仲間が増えて本当に良かった。
今日まで考えたことのない観点から「走る」事を見つめ直せて良かった。
これからの行動に繋がる気がする。
ランニングも読書もあまり経験のない人でも
無理なくランニングに興味を持てるイベントだと感じた。
(渡辺 英之 さん)

ランニングの悩みを解決し、速くなりたくて参加しました。
超実践的、即効果実感。
今後の生活やランニングの中で生かせそうで、
またマラソンに向けて頑張れる気がする。
ランニング読書会に参加する間に、
ランニングのレベルがかなりUPしそうです!
(白川 竜 さん)

読書会と実際のランニングを通じてとても満足しています!
今日の気付きや学び、特にランニングの仕方について、
 具体的に生かしてていけそうです。
ランニングや読書会の経験問わず、気軽にご参加を!!
(上田 英和  さん)

皆で学んで、皆で身体を動かすって楽しい!
本の読み方のヒントになった。
普段本を読まない方にこそ、是非お勧めしたい。
(中條 健次 さん)

読書会を探している時、
Read for Actionのサイトから発見しました。
読書会×ランということで、迷わずポチしました!
そして実際に参加してたら、趣味が合う方々と、
趣味のランニングをキーワードに読書でき
大変楽しく過ごせました。
みなさん、初めてお会いする方々ばかりだったのに
以前からの知り合いのようにお話できました。
読書の手法は斬新で、一人ででもやってみようと思いました。
著者に聞いてみる姿勢、答えを探しに行く姿勢というのが発見でした。
読書とランニングに興味があるなら、まずは一度体験した方がいいですよ!
(福井 俊治 さん)


最後までお読み頂きありがとうございました!

宮木俊明


2015年5月28日木曜日

新しい考え方を受け入れる

新しい行動は新しい考え方から生まれる。

そしてその「考え方」は、
それぞれが、それぞれに抱いている「信念」に基づいて組み立てられている。
つまり、行動の根本にあるのは「信念」だと考えてみたい。


好ましくない行動を好ましいものに変える、
好ましい言動を増やす、
その為には、新しい信念体系を身につける事が最も効果的だし、
表面的な変化ではなく、その源の信念にアプローチをする事で、
変化、変容は、より容易に、かつ持続的なものになると思われる。

では、新しい信念を柔軟に取り入れるには?

私は、以下のようなステップが有効だと思っていて
活用できるよう心がけている。


1.今の信念を疑う
人生や生命に関する「古い信念の一部」が、
もう役に立たなくなっていると認めること。

2.知識や理解の限界を知る
人生や生命について、自分たちには「わかっていない部分」があり、
それを理解すればすべてが変わるかも知れないと認めること。

3.新しい知識や理解へ心を開く
人生や生命についての新しい理解がもたらされ、
その理解が新しい生き方を開いてくれると考えること。

4.信念を拡大する
その新しい理解を模索し、検討する勇気をもち、
その理解が自分の中で響く物があるなら、
それを取り入れることで「信念体系を拡大する」こと。

5.新しい行動を始める
新しく取り入れた崇高な信念を否定するのではなく、
勇気を持ってそれを示す生き方をすること。

※ニール・ドナルド・ウォルシュ氏の一連の著作等々を参考にしている


例えば、私はこの様なステップを経て、
喫煙習慣を取除く事に成功した体験がある。

1.今の信念を疑う
喫煙はそう身体に悪いものでは無い⇒良いわけがない
いつでもすぐにやめられる⇒そう簡単ではない
喫煙はアウトローな感じでカッコイイ⇒むしろ嫌われる可能性の方が高い・・

2.知識や理解の限界を知る
今認識している健康被害のレベル以上の害もありうる
受動喫煙に関しても同様
喫煙者の納税額と健康保険料の兼ね合い、等々

3.新しい知識や理解へ心を開く
本やインターネットで賛否両論・諸説を調査
喫煙環境の時代に流れを捉える

4.信念を拡大する
タバコに依存し、タバコに支配される人生が、本当の自分の表現になっているのだろうか??

5.新しい行動を始める
仕事もタバコもやめて、
一気に新しい新しい人生をスタートしてみた・・・


これは、上記の様に信念や価値観を
「疑う」所が最も重要だと思っている。

これまで信じてきた物を疑うことは痛みが伴うこともあるが、
宗教的な真理、聖なる書物、教科書、憲法、
科学的な常識、法律、道徳だって、恒久不変の物なんて何一つこの世にはない。
あくまで「諸行無常」で有り、
地域や時代、また人によっても、それぞれの役割も価値も変わることを
今一度、認識してみることが大切だと感じている。


こういったものはいずれも、
どんなに立派に見えたとしても
ある時点での「人の行い」でしか無いのだから。
明文化した時点で形骸化は逃れられない物となる。


宇宙の成り立ちからして、物理的な法則ですら、
ローカルな一つのルールでしかない可能性が指摘されている。
参考記事

だからこそ、今の自分に、コミュニティに、社会に、そして世界に、
「役立っているのかどうか」
そこを、しっかり点検する勇気を持ちたい。


★行動のヒント
・あらゆる物は変化し続ける
・だからこそ、あらゆる前提を疑う勇気を持つ
・「役立つ」信念体系に入れ替え、拡大させるために行動を起こす


最後までお読み頂きありがとうございました。

宮木俊明

2015年5月26日火曜日

死ねばいいのに

「"死ぬ"なんてぇ言葉をそぅ簡単に使うなよ!」
3年B組の金八先生のセリフとして、
なぜか私の記憶に強く残っている。


かつて、私は、
とあるセミナー/ワークショップにおいて、
講師の方から、

「死ねばいいのに」

と言われた事がある。

しかも笑顔だった。


直接言われた事もあり、
金八先生のセリフよりも強烈だった気がする。


その講師の方は、
成功法則や精神世界の翻訳を手がけていて、
ご自身の著作もある著名な方。


当時の私は、
それまで積み上げてきた物が
崩れてしまった様な状態で、
少し体調も良くなかった。

経済的に困窮していて身動きがとれないとか、
最愛の人と死に別れたとか、
命を狙われているとか、
朝起き上がれないとか、
そういったレベルでは無かったが、

それなりに将来が不安で、
「なんでこんな風になってしまったんだろう」と、
悲しみや無力感、後悔の念が心を支配している、
「まあまあキツイ」状態、
そんなところだったと思う。
(※もちろん今は抜け出せている)


当日、諸事情があり、
また、比較的始まりの遅いワークショップだった事もあり、
ビール一杯飲んだ状態で会場に駆けつける格好となった。

お酒の入った状態だったからか、
その会場の雰囲気などもあってか、
会場に入って講師の方の話を聞き始めた時から、
私はなぜか涙が止まらなかった。

それはとても良いお話で、
「ワクワクする事をどんどんやれば良いんです。
世の中には良い事しか起きないんです。」
そんな内容だったと思う。

どうして泣けてくるのかがわからなかった。


その後、座談会形式のパートに入り、
参加者ひとりひとりが順番に発言をする事になった。
自分の番が来るまで、
私はひたすら感情を落ち着かせようと、
深呼吸をしたり、他の方の話を集中して聞いてみたりしていた。

そして私の番が来た。

「何を話して良いかわかりません」
まずは、そんか事を言った気がする。

「思いついた事なんでもお話してください。」
と促され、

「わかりました。。。
先ほどから、、涙が止まらないんです。。」

それから、現状を話し、
「・・だから今、とてもツライんです・・」
と、訴えていました。

(この様に書くと、さも深刻な状況だったと思われるかも知れないが、
一般に、大の大人が泣くようなレベルの話ではないので、
今こうして書いているだけで気恥ずかしくなってくる。)


それを聞いて、講師の方が
「死ねば良いのに」と、
例の発言をされた訳です。

「一度死んでみてはいかがですか?」
そんな言い回しもあったかも知れない。


「いや、死にたいなんて思ってないです。
もっと生きたいんです。
家族にも迷惑はかけられないし。
ただ、今日のお話に出てた様な、
やりたい事をどんどんやって、
楽しく生きたいって思っても
どうしたら良いかわからないんです」

そんな回答をした覚えが有る。

(当方をご存知の方からすると、十分好き勝手に楽しんで生きているのに、
何を言っているだと思われるかも知れない)


その後の事は、正直あまり憶えておらず、
その場で答えらしきものを直接得られた訳でもなかったかと思われるが、
他の参加者や運営側の方からもお声掛け頂き、
概ね以下の様なアドバイスを貰ったのかと感じている。

・家族に話をしなさい
・全ては幻なんですよ


一つ目は、誰かに話しをすると落ち着くし、
思考が整理されるという事でもあって、
これはこのワークショップ中で実行できた。

そして、問題点を整理し、課題を抽出し共有してくれるのはやはり家族。
実際に、翌日に家族に話しをしてみて、
一人で何とかしなければならないと必死になっていた状態から
一人で生きている訳では無いと思えて、
少し楽になった事を憶えている。

つまり、話し相手は誰でも効果があるけれど、
当事者に近いほうがより効果的な場合もあるという事だと感じている。
もしかしたら、部外者→知人→家族の様に、
徐々により深い関係者に話をして行くのも良いのかも知れない。


二つ目は、今感じている不安や痛みは、
数年後には間違いなく、なくなっている、
という事。

それはつまり、
現在の思考や感情は一時的な物、
つまり本質ではなく幻だという事。

実際に、現在、新しい課題はもちろん出てきてはいるが、
当時感じていた物と同じ種類の不安や悩みは
今は感じなくなっている。


幻は、それに「囚われれば囚われるほど」現実味を帯びてくる。
しかし、ただ「これは幻でいつかなくなるんだ」と思うだけで
楽になれた気がした。


「死ねばいいのに」
なんでそんな事を言ったのか。
真意は発言されたご本人にしか解らない。
当日は、そこに言及する力も無く、
動機も持ててなかった。


しかし、私なりに今思っているのは、
「人間死ぬ気になれば何でも出来る」
というような単純な話ではなくて、
「死んだらどうなるんだろうか」とか、
「年老いて死ぬ瞬間、何を思うのだろうか?」等と
「死」について考えてみる事が時に有効だったんだろうという事。

死に際には、きっと今抱えている問題なんて、
思い出の場面でしか無く、
むしろ、良い思い出にすらなっているのではないだろうか、
そんな風に感じる様になるきっかけが
「死ねば良いのに」
にあった気がする。


そして今は、死を恐れるのはただのエゴ(自我)なんだろうと思っている。

公民権運動で有名なマーティン・ルーサー・キング牧師は
「私は死を恐れない」
と言っていたそうだ。
エゴではなく、使命感のみで動けるレベルになると
そうなれるのだろう。
エゴに囚われる事の多い身としては是非ともあやかりたい境地だ。


もしかしたら、あの時の「死ねば良いのに」は、
私ではなくて、私のエゴに向かって
放たれた言葉だったのかも知れない。

グズグズ悩んでいるエゴには実際に「死んで」頂いて、
生まれ変わったように新しい一歩が踏み出せた、
今改めて振り返ってみると、
そんな気さえしてきている。


★行動へのヒント
・誰かに話をしてみる
・辛い感情や思考は、都合よく幻だと解釈する

最後までお読み頂きありがとうございました。

宮木俊明

2015年5月25日月曜日

書評:葬儀社だから言えるお葬式の話

私は、大学卒業後から5年間、葬儀社に勤務していた。
ご遺体の搬送、葬儀の打合せ、見積作成、式の司会進行等、
一連の業務の大半を一貫して、もしくは部分的に担当していた。

司会進行は年間に80件以上は実施していたので、
300件以上の葬儀の担当をしてきた事になる。
小規模な葬儀から1000名規模の参列があった大規模な物もあった。
加えて、部分的にお手伝いをした物も含めると、
おそらく2000件程度のご葬儀に関わった計算になりそうだ。


私の過去の経歴を話すと、
良く「なんで葬儀社に・・・?」と聞かれる。

人がやらないような事をやりたい、
稀少な経験をしたい、
死生観に興味がある、
等といった積極的(?)な思いも有ったが、
一番の理由は、
「シフト制で曜日問わずピンポイントで休暇が取れる」
という条件を満たしていた事で、
その上、正社員ということもあって
アルバイト等と比較すると収入が良かったからだ。

そして、何故ピンポイントで休暇をとる必要が有ったかというと、
当時はドラマーとしてバンド活動をしており、
月に3〜5本程度のライブ・ステージに
様々な曜日で出演していたからだ。


葬儀社での仕事は非日常の連続のため心労も多いし、
夜勤などもあって身体的にも大変だったが、
上司や同僚のご理解、ご協力もあり、
上手くバンド活動と両立できた事は重要だった。

そして、「あいつはバンドをやっているから・・」
とだけは周囲に言われないように、
手を抜くどころか、前のめりに積極的に仕事に励んでいた。
そして、多くの場合、遺族の方々にとても喜ばれる
感謝される仕事でもあって、満足感もあった。

しかし、何回か、失敗をして
遺族の方々に御迷惑をおかけした事もあった。
「やる気が空回りした」といえば聞こえが良いかも知れないが
完全に、私の人としての未熟さが引き金になった物もあった。
そこから多くの事を学ばせて頂いたが、
ご遺族の事を思うと、今でも悔やみきれない。
だからこそ、葬儀社とのやりとりの中で
嫌な思いをする人が一人でも少なくなることを
願わずにはいられない。





川上知己 著  日本経済新聞社
「葬儀社だから言えるお葬式の話」
は、タイトルの通り、
大阪の葬儀社経営者が書いた本だが、
一般に想定される葬儀の問題点や、
葬儀社とのやりとりの中で起こりうるトラブル
等々が上手くまとまっていて、
多くの方にとって参考になる筈だ。

・葬儀スタイルは多様化、簡素化の方向に向かっている
・「葬儀社任せ」には問題点が多い
・シンプルな「家族葬」にも注意点、問題点は多い

元・葬儀社社員の目線から見ても、
概ね納得できる内容だ。

そして、著者は葬儀社選定が
葬儀の良し悪しを決める重要な要素だと説いている。

かつての私の様な未熟者が担当になってしまう事も有り得ると考えると
究極的には、「葬儀施行担当者」まで選んでおけると最も安心だとは思うが、
現実には、それは難しい。
その為、会社単位での選定は、行きずりに任せてしまうよりは
現実的な範囲で有効な行為であることは間違いないと思う。


先日、死を考える事は「究極の目標設定」であるといった記事も書いたが、
親や家族の葬儀、では無く、
自分の葬儀をどの様に、どんな人によって執り行って欲しいか。
考えてみることは、とても有益な事だと思う。


★行動のヒント
・葬儀も人生も「何を大切にするか」を考える
・見栄、世間体といったモノから、本質的に価値のあるモノを重要視する姿勢は
 あらゆる所で感じられる「大きな流れ」である


最後までお読み頂きありがとうございました。

宮木俊明

2015年5月24日日曜日

究極の目標設定

行動の為の目標設定を考えた時、
それは一日や一週間程度の短いスパンの事も有れば、
数年単位の中長期で考える事も有るだろう。

期間の差は様々だが、
目標設定とは「一定期間後にどうなっていたいか」の具体的なイメージを持つことだと思っていて、
それが具体的でイメージが鮮明であればあるほど、
計画も立てやすいし、実現性も格段に上がると言われている。

それは数字で表せるかもしれないし、
役職や立場で表す方が簡単かもしれないし、
所有物や、人間関係で表すのが適当かもしれない。

1日をどう過ごしたいか?
1年後にどうなっていたいのか?
5年後にどんな生活を送っていたいのか?
10年後、30年後は・・・

この期間を伸ばしていくと、
最終的には
「どう死にたいか?」
に行き着く。

つまり、死を考えることが、
現世、今生における
最長スパンでの目標設定となる筈だ。


欧米には墓碑銘といって
墓石に言葉を刻む習慣がある。
日本では「戒名(法名)」がそれに代わるものかも知れないが、
比較すると、欧米の墓碑銘は具体的で面白い。


「ここに医師◯◯が眠る
この霊園に眠る死者の半分は彼の患者だった」

等と職業が書かれていたり、
中にはブラック・ジョークの様な物もあって

「ここに眠る男は薬代のために小銭を出すのを渋り
そして命を失った。彼にもう一度生き返ってほしいと思うが
そうしたら彼は葬儀代がいくらかかるか心配することだろう 」

等と書かれていたりする。
反論しようにも死人に口なし。
『人の一生なんて結局は誰かの記憶でしかないよ』
とは10-FEETというバンドの歌詞だが
どう記憶されたいかという視点は
目標設定を考える上でとても面白く有効なアプローチだと思っている。


著名人では、例えば、鋼鉄王アンドリュー・カーネギーの場合は
「ここに自分よりも遥かに賢明な人びとを周りに集めることが出来た男が眠る」
という大変興味深い墓碑銘が刻まれている。

※以下のサイト等を参考にしました
http://www.osoushiki-plaza.com/institut/dw/200007.html


「墓碑銘」はあまり馴染みが無いかも知れないが、
例えば、自分のお葬式にどんな人達が集まってくれていて、
どんな会話がされるのだろうか?
具体的に考えてみると、
どこで何をしたくて、どんな人と付き合いたくて、
といった具体的かつ本質的な部分が見えてきやすい気がしている。

今この瞬間の悩み事や不安も、
中長期、究極的には「死」の瞬間を考えた時に、
その多くはあまり重要では無いと思えてくる。

私のお通夜では、
「年齢を重ねても行動力だけは衰えなかったよな」
「あいつがいた所では常に新しい物が生まれてたよな」
等と噂をして貰い、
 「ここにいかなる状況にあっても新しい一歩を踏み出し続けた男が眠る」
等とお墓に書いて貰おう、等と妄想している。


★行動のヒント
・最長スパンでの目標設定「死」について考えてみる
・「死」の瞬間、晩年を具体的にイメージしようとしてみる

最後までお読み頂きありがとうございました。

宮木俊明

2015年5月21日木曜日

第2回「目標に向かって行動を起こす読書会」@青山 開催レポート

2015年5月20日(水)19時より。
連休明け、梅雨入り前の比較的過ごしやすい時期。
第1回と同様、港区南青山の会場にて開催。

この読書会は、ReadForAciton形式をベースにした
新しい共創学習の手法に基づき
参加者同士が助け合い、誰でも楽しみながら、
行動へのハードルを下げ、
新しい一歩を踏み出せる状況を作り出す事を目的としている。

今回も定員を越える11名のお申し込みを頂き
3名のキャンセルを経て、男女8名の参加者で開催をした。
年齢は20代〜40代、若手社員の方から会社役員、PTA会長等、
様々な経験・立場ながら、
一様に前向きかつ積極的な、意欲の高い皆様と共に、
楽しく有意義時間を過ごす事ができた。

自己紹介をしながら、少しアイスブレイクの遊びをした後に
「読まない読書」がスタート。
4名づつの2グループで2種類の読書法の組み合わせで
それぞれが持ち寄った本から質問の答えやエッセンスを抽出し、
ダイアローグ(対話)により理解を深め、
チームごとにまとめを発表して頂いた。

「本当に殆ど本を読まなかったけれど
一人で精読した以上の気付きが得られた」
「2時間があっという間だった」
等、嬉しい声も多くいただくことができた。

最後に各自で
「24時間以内に絶対に実行可能な小さな一歩=ベイビーステップ」
を定めて持ち帰って頂き、
行動を起こす準備を整えて頂いて
無事に読書会を終えることができた。


初対面の人同士なのに、
時間が足りないくらい深いダイアローグができ、
しかもそれが、言い合いや険悪な雰囲気ではなく
ワイワイと楽しく進行出来るのは、
読書会ならではの特殊効果があるのだと感じた。


☆☆ 主なアンケート結果 ☆☆

主な参加動機:
・行動へのきっかけづくり
・リーディングファシリテーターへ興味
・異業種の方との交流の為
・読書会への興味


感想など:

テーマ「目標に向かって行動を起こす」に惹かれて参加しました。
ReadForActionの読書会はいつも新鮮でワクワクできる!
今日得られた気づきは、仕事や生活の中ですぐに生かせますし、
以前より気持ちが楽に取り組めそうです。
この読書会は、ワクワクしているうちに、
大きな本質が見えてくる感じがするヨ!
(黒澤 千美 さん)

神田昌典さんの「バカになるほど本を読め!」の出版記念読書会に参加し
読書会に興味を持って参加しました。
最後のグループのまとめがとても納得感があったし、
自分一人では得られない視点が得られた。
今日の学びを、とりあえず試してみます。
新しい本、新しい人に出会える場としてお勧めします。
(U. K. さん)

読書会の持つ可能性や日常からの更なるステップアップの為に
ツールとして使ってみたい、学んでみたいと思い参加した。
全員参加型でわかりやすかったし、
2時間という時間もあっという間にすぎてしまうほど楽しかった。
仕事や生活の中で、まずは小さなステップから動く動機付けになった。
「自分を変えるきっかけに出会いたくないですか?」と同僚や知人に勧めたい。
(濱田 和弘 さん)

東洋経済オンラインの記事を見て、
読書会というものに参加した事がなかったので興味を持ちました。
メイン・ファシリテーターの他に、
サポート・ファシリテーターの方が各テーブルに1名いるのが良かったし、
人数もちょうど良かったと思いました。
グループの4名がそれぞれ持ち寄った本のエッセンスは、
行動を変えるのに役立ち、またすぐに実践できるものだと思います。
今後に活かせると思いました。
内気な人にも積極性を身につけるのに良いし、
社外の方との良い交流の場にもなりますよ。
(N. N. さん)

前回に比べて大幅にコンテンツの質が上がっていたのが素晴らしかった!
今日の読書会で組織改革についての学びと具体的な行動目標がわかった。
2時間であなたの達成したい目標の達成の仕方が学べるよ!
(國井 誠 さん)

本から知識やマインドを引き出したかったので、
実際に本を読むよりも効果的なのと、様々な人との交流を深めたくて参加した。
実際に本を読むよりも多くの気づきを得られたし、
自分だけでなく他の人の考えも聞けるので気づきが多かった。
今後目標に向かって行動していく中で、
「今何をすることが大切なのか」を知ることができ、
今後に生かせそうだ。
本を読んでいなくても本を読んだ以上の大きな気付きが得られる、
今までにない素晴らしい読書会だとして、皆さんに勧めたい。
(松井 大輔 さん)

「自分に行動を促す!!」そんな気づきを求めて参加した。
この読書会は他の人の目線になれるし、
2時間でたくさんの本を読んだ気になれる。
今日学んだ、
「欲しい結果に導く行動を細分化して、Baby Step を作り出す」
という手法を今後も生かしていきたい。
「あなたも今日から成功者!!」
成功者もやっている読書会に是非ご参加を!
(塚本 忠行 さん)


★行動へのヒント
・脳の働きに注目(イメージ、報酬、セルフイメージ-自分を知る)
・まずは行動!!(自信も結果も成長も後からついてくるもので、それらを前提にしてはダメ)
・小さな一歩を積み重ねる(周囲は必ず気づいてくれて、次第に巻き込まれてくれる)


最後までお読み頂きありがとうございました!

宮木俊明








第1回「目標に向かって行動を起こす読書会」@青山 開催レポート

2015年4月8日(水)19時より
この時期には稀な、真冬のような寒い日に、
港区南青山で開催された。

キャンセル待ちを含め11名という
定員を超えるお申し込みを頂き、
2名の当日キャンセルを受け、
最終的に9名の参加なった。

今回はRead For Action の読書会は
初めてという方も2名いらっしゃる中、
3名づつ3グループに分かれ
2種類の読書法を用いて
得られた気付きをディスカッションで深め、
最後に具体的な行動を決めて各自に発表をして頂き、
ReadからActionへの準備を共創する事ができた。

ReadForActionについて

ご参加頂いた皆さんがとても積極的で、
各セッションにおいて質の高さが感じらた。
特に参加者同士のディスカッションが
各グループでとても盛り上がり、
常に時間が足りない位だった。

人前で話す事の得手不得手に関わらず、
本を触媒とすることで自然に話ができてしまう、
そんな雰囲気が感じられ、
Read For Action方式が
企業の研修や会議でも活用されている事にも
とても納得がいった。


初参加の方々からも
「一人で読むよりも要点が上手くつかめ
漠然としたイメージを明確にすることができた」
「仕事の中で活かせそうだ」
と言った嬉しいお声を頂けた。

私個人としては、リーディングファシリテーターになってから
初めて主催をした会だったが、
「そうは思えなかった」と多くの方におっしゃって頂き
とても嬉しく思ったのと同時に、
Read For Action方式の読書法の力を改めて感じた。

今日の気づきを活かし、
また楽しい読書会を開催していきたい。


☆☆ 主なアンケート結果 ☆☆

主な参加動機:
・行動へのきっかけづくり
・日常にはない刺激を得る
・読書会への興味


感想など:

本を読み込まずして理解できる。素晴らしいです!
行動を、どうしたら増やせるか? もしくは減らせるか?
そこの気づきを得られた。
本を読み込まない読書会、
事前に読んでこなくてもいい読書会。
そんな読書会に参加してみませんか?
(塚本 忠行 さん)
 
読書法を学べてよかった!
自己のコントロールを身体面から出来るようになると
便利だと思った。
「2時間で知りたい事を知り、
 気づきたい事を知る読書会に行きたい?」
と同僚や知人を誘いたい。
(國井 誠 さん)

楽しかったですよ!!
今日の気付きや学びを今後の仕事・生活に生かせますし、
他の業界の人と関わる場としても価値があります。
読み方の変わった読書会だけど、自身のレベルアップにつながります。
(上田 英和 さん)
 
共通のテーマで他の人が持参した本を読むのが楽しいので
読書会を増やしたい。
自分の知りたい事を濃密に知れる!
新しい共創学習の方法が学べるヨ
(山本 伸 さん)
  
今日のテーマと仕事がつながったので、
これをきっかけに、今後、仕事の数(種類)を減らしていきたい。
なんとなく”もやっと”したやりたかった事が具体的になるよ〜
(M さん)
 
2つのワークが楽しめたのでお得な気分になれた。
質問を作ることによって、集中力を持ってやれた。
今後の仕事や生活のなかで活かせる気づきが得られた。
脳を活性化しつつ、行動せざるを得なくなるユニークな読書会です。
(A. N. さん)

やったことのない読書法で面白かったです。 
自分だけで読むよりも要点がつかめる気がしました。
今日の学びを今後、実際にやってみます。
要点が明確になり、もやもやしていたものが見えてくるよ!
(T さん)

初めての参加でしたが
”本を読む”という行為がより楽しくなった。
今までの仕事・行動に応用します。
今日の読書会の進め方や、自分がおもしろいと思った点を
周りの友人等と共有・意見交換して、一緒に参加したい。
(Y. Y. さん)

質問を交換するのはおもしろく、
自分の読書会でも取り入れたいと思います。
目的意識を高める質問を投げかける事で、
仕事や生活のなかで活かしたいと思いました。
様々な意見交換ができる面白い読書会です。
(Y. T. さん)


★行動のヒント
・身体を整える ⇒ 心拍に注目/甘いお菓子よりもナッツ
・思考を整える ⇒ 目標や課題を分解してみる(要らないものは捨てる)
・環境を整える ⇒ フィードバックが継続の決め手(周りに宣言してみる/ちょっとした変化にも注目) 

最後までお読み頂きありがとうございました。

宮木俊明

2015年5月18日月曜日

書評:宇宙が始まる前に何があったのか?

この宇宙はどの様に始まったのだろうか?
宇宙の果てには何が有るのだろうか?
我々は、地球は、銀河は、いったい「何で」できているのだろうか?

日常の中でこのような疑問は中々出てこないかもしれないし
当然、考えた所で、答えらしきものもはそう簡単には見いだせない。

しかし、このような根源的な問答は
知的好奇心をもてあそぶだけではなく、
それを中長期で繰り返すことで、
少しづつ、だが確実に、
人生を見つめる目線が変わってくるし、
その答えもらしきものの変化が自身の変化に気づくきっかけにもなる。

そしてそれは最終的に、行動を変容させる力になっていくと感じている。


そしてこのようなテーマは一人で考えるよりも
当然、専門家・研究者の話を聞くことや、
読書等を通じて行うのが効果的だろう。


先日、目的に合わせた本の選び方について記事を書いたが
このような読書は「知識ベース」を作り込む行為になればと思っている。
関連記事



  
ローレンス・クラウス著 文藝春秋
「宇宙が始まる前に何があったのか?」
は、宇宙物理学の最先端の研究結果に基づいた
宇宙誕生から未来までの話が、
専門的ではありながらも一般読者向けに平易に書かれている。

※ただし、量子論や一般相対性理論等に関する造詣の深さによって、
 読み解ける深さが大いに変わってきそうだ。
 私も大いに苦戦し、何となく読めた気になっている程度だと感じている。


・宇宙は無から生じた。
・ビッグバン仮説は間違いなさそうだ。
・宇宙空間はいまでも膨張し、その膨張率も加速し続けている。
・その為、やがては高速を超えて空間が膨張する。
・この空間の膨張によって、約2兆年後には銀河系以外は見えなくなる。
・それは、現在を含む数千億年ほどの「僅かな」期間が、宇宙観測に最も適した稀有な時代であることを意味している。

・宇宙の膨張率の測定から、宇宙全体の物質量が推定された。
・その事から、未だ観測できていないけれど宇宙空間のどこかに在るとされている「暗黒物質」「暗黒エネルギー」が有ることが推定された。
・つまり、宇宙の99%は我々の目に見えない物で構成されている。(それらの起源は未だ全くの謎)

・ビッグバンの初期に今の宇宙を生み出したとされる「インフレーション」という現象がある。
・インフレーションは我々の宇宙を含む「様々なタイプの宇宙」を生み出している可能性がある。
・我々の宇宙の他にも無数の宇宙が存在する事を「マルチバース」と呼ぶ。


以上のような重要な仮説とその裏付けとなった研究結果等が
コンパクトに工夫して書かれていて、理解の程度はともかく
大変おもしろく読めた。

さらに本書が面白い所は、これらの最先端の宇宙物理学の研究結果と、
神学や哲学といった形而上学的な考え方とを対比させている所で、
「ビッグバンは天地創造の証拠だ」といった
悪く言うとご都合主義的な人間原理と科学的アプローチとでは
本質が異なるということが、本書を通じて語られている様に感じられた。

著者を始め、飽くなき好奇心と開かれた心で、
あくまで経験と観測の裏付けで世の中を理解しようとしてきた
多くの物理学者に敬意を表したい。


★行動のヒント
・世の中は解らない事だらけだし、常識や定説は覆される。
・つまり、新しい発見やイノベーションのチャンスは山ほどある。

最後までお読み頂きありがとうございました。

宮木俊明

2015年5月17日日曜日

インプット⇔アウトプットの為に何を読むか?

インプットは読書に限られるわけではなく、
日常生活や、仕事等の実体験を通じて得られた学びや気付き、
映画や他愛もない会話からだって多くのインプットがある。
もちろん、インターネットやTVのニュース、新聞からも
多くの情報がインプットできる。

しかし、インプットの典型はやはり読書だと思っていて、
 読書の利点いついてはここに書ききれないほど沢山あると感じている。


例として、私は特に以下の様な点が気に入っている。

・知識が体系的に整理されている
 (同じ量をネットから得ようとすると検索時間がバカにならないし、網羅性を確認する術もない)
・低コスト
 (セミナーや大学の授業等と比較すると圧倒的に安く同等の知識が得られる)
・電源不要で場所を選ばない
 (私は通勤電車を利用している)

以下の書評も参考になるかもしれない。


さて、このブログでは
 「インプット⇔アウトプット」
 の効果をアウトプットすることを一つの目的にしている。

そこで、”アウトプットの容易性”という観点で
「何を読むか」の参考になるような話題を提供するために
アウトプット難易度毎に
どういった年代の人が読むと良いのかをまとめてみた。
※読書術に関連する幾つかの書籍を参考にまとまた


【アウトプットLevel】
 (簡単 1、2,3、4 、5 難しい)

Level1
:ネット情報、新聞、週刊誌等
⇒全年代(必要に応じて)
※話題にしやすい、即刻性がある

Level2
:基本的なスキルを身につけるノウハウ本・実用書
⇒入社22歳〜28歳の「見習いの時期」
⇒業務の正確性を重視

Level3
:仕事術、勉強法、経営戦略や企画の為の本
⇒29歳〜35歳の「役割探求の時期」
⇒自分に向いてる仕事のやり方や社会での役割を考える

Level4
:歴史本、自己啓発(生き方)、ビジネスモデルの抜本的構築の為の
⇒36歳〜42歳「次のステージへ向かう時期」
⇒プレーヤーからマネージャーへの以降時期

Level5
:自然科学、哲学、(いわゆる難しそうな本)、小説類
⇒全年代(定期的、意図的)
※物事の考え方や向き合い方の「知識ベース」を作る読書であって、 
 解りやすいアウトプットには繋がりづらい


年代はあくまで見安ではあるが、
私もできるだけバランスよく手に取るように心がけているし、
ここに挙げた「高レベル」の読書を経験しておくことで、
「低レベル」の読書が容易に、かつ効率的になることは実感している。
また、自身が難しいと感じるジャンルの本の場合には、
できるだけ具体的に書かれた「低レベル」の本から入って行くことで
理解が容易になる様な手応えも感じている。


解決したい問題が明らかであればLevel1でも解決できると思うし、
一方で、何となくモヤモヤした様な状態に効くのは
よりアウトプットLevelの高い読書なのかも知れない。


★行動のヒント
・アウトプットを意識して様々な本をバランスよく読みたい
・ 「バランス感」の指標の一つとして「アウトプットLevel」を意識した本の選択を推奨したい

最後までお読み頂きありがとうございました。

宮木俊明

2015年5月15日金曜日

インプット効率を上げる考え方

読書、セミナー、通信教育、通学など、
インプットの方法の中には、有料のものも多い。

インプットの効率を劇的に上げる
「効果的な学び」には、あるコツがあるのだよと、
先日、とある著名な講師・作家の方より伺った。

それは、

「かけたコストを10倍位に思い込む。」

というもの。

1,500円で購入した本と、
15,000円で購入した本とでは、
読み方が違ってくるのではないだろうか?

だから、10,000円のセミナーだったら100,000円のつもりで
月々20,000円の英会話教室だったら200,000円払ったつもりで、
必死に取り組めば多くのモノを得られるだろうと。
その様におっしゃっていた。


具体例として挙げられていたのだが、
かつて、絶版になってしまっているため入手困難な
とある名著がどうしても読みたくて、
自身の年収と同等額、
300万円をオークションにつぎ込んで
それを手にした若者がいたそう。

もちろん、その事が全てではなく、
その本以外からも多くを学ばれたであろう事は間違いないのだが、
その若者とは、あの「動物占い」の基礎を築き上げて、
大成功を収めた方の事らしい。

(ちなみに私は、この動物占いでは「ペガサス」だったと記憶している)


さて、マインドコントロールの達人でもない限り、
コスト10倍だと「思うこと」と、
300万円といった多額のコストを「実際につぎ込むこと」との間には、
かなり大きな差が有るようにも思ってしまうのだが、
「思い切ってコストをかけてみる」
という行為によって、
時に大きなレバレッジが掛かることは私にも経験がある。

かつてロックバンドを始めた頃、
思い切って高い楽器を手に入れて自分を追い込み、
必死に練習をしてそのコストを回収しようと努力をした事を憶えている。

そして最近では、少々奮発して
リーディング・ファシリテーター」の認定資格を手に入れてから、
読書会を主催したり、ファシリテーションの機会を得たりと
ファシリテーターとしての研鑽を積む努力を続けている。


これらはコストをかけると回収しようと思う事で、
行動が「半強制的」になって居るようにも感じられる。

この様な、「半強制状態」を作り出す方法としては、
コストをかける事だけではなく、
例えば以下の様な方法も考えられそうだ。

・周囲に宣言をする。
(コストでなく、メンツをかける)

・誰かに見張ってもらう。
(お金ではなく、自尊心をドブに捨てる・・・)


しかし、これまで述べてきた様な行動の始め方は、
行動を始めるきっかけとしては悪くないかもしれないが、
それを継続させるには、もう少し
建設的なリターンが有る方が良いようにも感じている。

想像してみると、
300万円の本を買い続ける事はできないし、
周囲に同じことを宣言し続けても飽きられてしまうだろうと
何となく予想がつく気もしてくる。


つまり、何かを「賭ける」といった感覚や
コスト意識といった、どちらかというとネガティブな要素だけではなく
「楽しむ」とか「インセンティブを得る」といった
ポジティブな動機が、継続には重要なのでは無いかと思っている。
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「行動自体が楽しくて仕方ない」「ワクワクする」といった
”行動自体がインセンティブ”となっている状態が、
行動を開始するのも継続するもの簡単なのは当然の事として、
ある程度継続してからでないと
その状態にはなれないケースが多いのではないかとも感じている。


「石の上にも三年」等と言われるが、
三年間座り続けるには意志の力に加えて、
うまい「考え方」が必要なのだと考えている。



★行動のヒント
・行動を開始するきっかけは「後戻りしづらい状況」を作り上げること
・行動を継続するにはインセンティブを感じられる工夫を

最後までお読み頂きありがとうございました。

宮木俊明


2015年5月13日水曜日

インプット⇔アウトプットの習慣化とその意義

アウトプットを意識してインプットすると
インプットの質や効率が劇的に高まると言われている。
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そして、実際にアウトプットをすると
それが人の目に触れる可能性が高く、
そこから好意的な反応(ポジティブ・フィードバック)が
得られる確率が高まるらしい。

褒められたり、感謝されたり、応援されたりといった
ポジティブ・フィードバックは、誰でもうれしいので、
それが報酬(インセンティブ)となり、
インプットとアウトプットを繰り返す好循環が生み出されるそうだ。

※このインセンティブは必ずしも周囲の人々によってもたらされなくても、
 自身で「ご褒美」を設定することでもなし得ると考えれられる。

これは良い行動を習慣化する事にとても役立つと思っている。
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では、この様な継続的インプット⇔アウトプットに
いったいどの様な意味が有るのだろうか?

例えばこのブログで行っている様な
読書(インプット)と感想を書く(アウトプット)事を継続して、
何が得られるのか?


もちろん読書を通じて得た知識や気付きがより良く定着し、
自分のものとするのに大いに効果的でありそうなことは
これまでの記事にも書いたところだが、
果たして「いつ」「どのような」形で活用できるのだろうか?

具体的な問題が解決すれば、
効果はすぐに実感できるわけだが、
そう即効性を期待できる本ばかりではない。


読書等を通じた「積極的なインプット」を
習慣化することで得られるリターンは
以下の2点にあると思っている。


1.良い習慣を身につける事によって自己肯定感が高まる。
(自信を持てやすくなり、心身の健康にも寄与する。)

2.必要に迫られてから慌てるのではなく、
来るかもしれないチャンスに対して準備が整う。

これらの効果は10年くらいのスパンで効いてくるという人もいて
この成長を曲線にすると複利の様な対数的カーブを描いて上昇するらしい。
(この複利的な増加というのは、人は感覚的に理解するのが難しいと言われている)



その是非はともかく、
究極的には目標を持って行動を開始する事は
目標が達成できるかどうかに関わらず、
「行動をする過程での自己成長」という
最も大きなリターンが得られると考えている。

そして自己成長をすることで、
その人が何らかの社会貢献に繋がる行動をする可能性は高まる。

社会貢献はアウトプットの帰結の一つと言えると思うが、
それによって得られるフィードバックが報酬となり、
またインプット⇔アウトプットを通じた自己成長への意欲が高まる、
そんな好循環が生まれる筈だ。

「インプット⇔アウトプットの習慣化」は
「自己成長⇔社会貢献」を習慣化する事に、
その意義があると思っている。


★行動のヒント
・行動はフィードバックをにより習慣化される
・行動〜習慣化その物が自己成長に繋がる
・最終的に自己成長⇔社会貢献に繋がる

最後までお読みいただきありがとうございました。

宮木俊明

2015年5月12日火曜日

書評:リーン・イン

行動を起こす上で、心理的、社会制度的なバイアス(偏見・偏り)が障害になる事はとても多いと感じている。
更に、そのバイアスの存在が本人の中で顕在化していない事も多いし、
それを取り除くにしても一筋縄ではいかない。


近代の歴史を大雑把に眺めてみると、
例えば、社会階層(身分による差別の減少、奴隷制度の廃止など)も
組織内の階層(細かい役職や分業体制の廃止など)も、
フラット化が進んでいると言われていて、
大枠では、身分や立場によるバイアスは解消されつつ有るのかも知れない。

交通手段や物流網、そしてインターネットの登場により、
地域差も間違いく解消されつつあって、
これらはグローバル化とも呼ばれている大きな流れだが、
ここでも、地理的なバイアスが大幅に解消されてきている部分が感じられる。

地域社会毎に特有の問題(民族的、宗教的、伝統的なバイアスなど)が
依然として強く残っている事はもちろん沢山ありそうだが、
俯瞰すると、世の中は確実に
バイアス・フリーに向う変化の中にある様に見える。


所が、全世界的に共通して
2種類の根強い格差・バイアスが残っているらしい。


「経済」に関するものと、もうひとつは「性別」に関するものだ。


経済格差については近年、
ピケティの著書が話題にもなったが、
そこでは、格差は縮まるどころか拡大していると述べられている。
この経済格差については後日に譲らせていただいて、
今回は性別とキャリアについて興味深い、有名な本をご紹介したい。

シェリル・サンドバーグ著 日本経済新聞出版社
「リーンイン-女性、仕事、リーダーへの意欲」
は、男女は不平等である、性別格差は存在し続けているという事を前提とし、
それを認めようという所からスタートする。

そして、性別格差は制度的・社会的な問題と同時に、
それと関連しつつ、個々人に対して心理的影響を大きく与えているという。

つまり、内外にバイアスが存在していて、それらが
「ニワトリが先か、タマゴが先か」
と言った議論の格好の的となっている状況で、
正攻法はなく、これを打破するには内外両面から攻めこむ必要があるそうだ。

本書は、性別格差の解消に向けて、
いや、もっと言うとあらゆるバイアスから人々を開放するために、
人々が一歩踏み出すために、
自分の目標に向かってる果敢に進むための本だと感じた。


以下、気になった点のメモ書きを共有させて頂く。

・女性は無意識に自分の意見や存在を引っ込めてしまっている。
 常に端に座り、手を挙げ続けないでいることを、
 社会的に要請されていて、無意識的な反応にまで浸透してしまっている。

・所が、いざ自己主張をしようとすると
 男では当然であるものが、女性であるがゆえに非難の的となってしまう。
 筆者の経験では、笑顔を絶やさない事、
 そして、自分のためではなく、誰かのためにという時、
 女性が力を発揮しやすいという。
 (自己主張に対する社会的制裁は日米では差があるだろう) 

・しかし世の中の変化の中で
 かつては、出世といえばハシゴを一つ一つ登っていくようなイメージだったが
 徐々にジャングルジムの様相を呈してきている。
 ルートも、行き着く先についても、そこに選択肢が生まれたことが
 女性にとっても多くのチャンスをもたらしている。

・だからこそ、職探しを含めたキャリアパスを考えた時
 「成長可能性」を最重要視して欲しい。
 例えば、現時点での「給与」と「保育料」をそのまま天秤にかけるのではなく、
 数年後の給与増を見据えた判断をして欲しい。
 数年分の給与増と、キャリアアップによる更なるチャンスを
 実は見過ごして閉まっているのではないだろうか?
 安易に仕事を辞めてしまったり、出世を諦めたりしないで欲しい。 

・新しい生き方をして行く上では
 率直で暖かいコミュニケーションが誰にとっても重要で
 時には感情的な面やプライベートも包み隠さず打ち明けるような覚悟が
 円滑な人間関係の土壌となりうる。
 完璧さよりも、自分らしさを大事にすることで
 応援してくれる人も増える。

・そういった生き方は
 パートナーとの対等な関係・役割分担よって培われるのかもしれない。
 生物学的な部分以外は、
 男にできることは女にもできるし、
 女にできることは男にもできる。
 バイアス抜きに「対等」なパートナーシップを考えて欲しい。

・パートナーとの関係性も踏まえて女性の立場を考えた時
 仕事も家庭も完璧な「スーパーママ」の存在は、
 女性の敵にもなりかねない。
 そういった完璧主義は、燃え尽き症候群のような心理的負担を招きかねないし、
 何より、周囲の女性への期待値を上げてしまうことに繋がる可能性があるからだ。
 多くの場合、上手なガス抜きが必要。

・「完璧でなくて良し」とすれば、
 既婚者・独身者関係なくプライベートの充実を通じた
 人間的充足感をより重視するのではないだろうか。
 そしてそれが、最終的には過剰な母性への期待を軽減する事に繋がる。
 
・働き過ぎの社会習慣と母親への過剰な期待をすこしづつ変える事が重要だ。
 実は一昔まえよりも、現代社会の認識は
 母親は、より多くの時間を育児に費やすべきだとされている。
 (これは「高密度育児」等と呼ばれている)

・仕事や家庭での役割に押し潰される状況を看過せず、
 母親として、女性として、
 いや、人として、心穏やかに過ごす事を最優先事項としたい。

・言葉は意識を変え、意識が行動を変え、行動が制度変える。
 最初の一歩として、言葉を発し続ける事を重視している。

・性別格差は巧妙で気付きにくいバイアスを生んでいて、
 ルールや基準自体が、男性に合わせて容易に変更されてきている側面もある。
 これは、実際に起ってしまっている事だ。
 (スポーツにおけるルール変更等が近いかもしれない)

・リーダーシップとは、あなたの存在によって他人の満足度を高め、
 あなたがいなくてもそれが維持されるようにすること。

・現在の平等は、かつての市民が勝ち取ってきた物である。
 我々も後世の為に、闘い、勝ちとらなくてはならない物が有るのではないだろうか?

・その為にはまず、現状を認めること。
 そして、同性同士での足の引っ張り合いの様な状況からは
 できるだけ早く脱却する事を目指したい。 
 (社会運動は内部から崩壊する事も少なくない)

・専業主婦と、職業上で成功した女性とでは、
 お互いに罪悪感を与えあったりする経口にある。
 しかし、細かい差異ではなく、最終的目指すのは【解放】だ。
 一人でも多くの人が、心理的、社会的なあらゆるバイアスから解放され、
 可能性を信じられる人が1人でも多く行動を開始し 
 また自らがその様に行動する事だ。
 それを通じて、折り合いをつけるべきことが、
 きっと少しづつ減ってくる筈だ。

・自発的に目標をたて、それに向けて何かに邪魔されることなく、
 引け目に感じることもなく、
 行動を始められる事が自由であり、
 そこに向けて、多くの人ができる事から始めて欲しい。


私も家庭人としての役割を大いに考えさせられた。

自由とはバイアスを感じ無い事だと思っていて、
家族をできるだけ自由にすることが、
私にできる事の一つだと考え、実行して行きたい。


★行動のヒント
・社会的なバイアスは個々の人々に確実に影響を及ぼしている
・バイアスを取り払って行動できる人が一人でも多く出てくることが
 最終的に社会的なバイアスを取り除くことにづながる。

最後までお読み頂きありがとうございました。

宮木俊明